C103に出展した
あらすじ
2023年12月のコミックマーケット103(C103)に当選してしまったので、しゃーなし出展することに……(何様?)
詳しくはこちらの記事をチェックしてね。
同人誌を頒布した話
それでは失敬……ということで「となりの吸血鬼さん」の二次創作漫画を描いて頒布した。
設営完了しました〜
— 真の結婚仲間物語はぽなまら (@garagara_jp) December 30, 2023
東3ホール コ-40aでお待ちしております pic.twitter.com/fQT9pZe31J
社会人になってから初めてのサークル参加だった1が、色々と刺激的な体験だったので備忘録的にブログ記事に残そうと思う。
怒涛の作業スケジュール
今回の『C103申し込み』~『コミケ当日』までのスケジュールを表にまとめてみた。
申し込み完了~作業開始まで
C103の申し込み自体は8/21に完了しており、作業日数としては4ヶ月近くあったことになる。
が、私は入金〆切まで支払いを怠った結果、せっかく当選したライブのチケットを失効させるようなダメ人間である。 そんな人間に余裕を持った同人誌制作など出来る筈もなく……11月中旬の当選発表まで何一つとして作業していなかった。
つまり、C103当選報告のブログ記事を投稿した時点で進捗0だったのだ。
流石にマズいと気がつき、慌てて原稿のネーム作業を開始する羽目に……。
なんとかネームが完成
12/3(日)の深夜にネームが完成。あとは『下書き』『ペン入れ』『ベタ塗り』を計18ページ分繰り返せば原稿完成という状態になった。 作っては消し…作っては消し…を繰り返すネーム作業に比べたら遥かに単純な作業なので、「なんだかんだ楽勝かも!」と早くも勝利ムードが漂っていた。
が、実際は残り時間が圧倒的に足りず大ピンチであった。漫画原稿作業に不慣れなこともあって、1ページを『ネーム』→『下書き』の状態にするだけで平均6時間かかった。つまり『下書き』作業だけで6×18=108時間かかる計算になる。平日はMAX4時間、休日は多く見積もって16時間作業できるとしても、一週間で52時間、二週間で104時間しか作業できない。
このとき想定していた入稿締め切りは『12/22(金)午前10時』であったが、上記の作業ペースだと
- 12/17(日)に下書き完了
- 12/18(月)~12/21(木)までの平日4日間でペン入れ・ベタ塗りを終わらせる(ムリ)
- さらに表紙イラストも描く必要アリ(もっとムリ)
という理論上不可能なスケジュールになってしまった。
もはや新刊を落とすしかないのか……?!
そうだ、〆切を伸ばそう
結論から言うと、トム出版2の『C103合わせ オンデマンド表紙カラー(FINAL)』という入稿コースを使うことで事なきを得た。
こちらのコースは
- 表紙〆切:12/27(水)
- 本文〆切:12/29(金)(コミケ前日!!!)
というとんでもないスケジュールで入稿・製本を行うことが出来る。
もちろんお値段も相応に高く、通常入稿の約2倍のお値段がかかる。
が、背に腹は代えられない。もうここまで来たら「とにかく本を出すこと」が最優先である。印刷所の人、ごめんなさい……という気持ちで申し込みボタンをクリックした。
入稿完了まで
後はもうひたすら原稿を進めるだけである。
以下は12/25頃の実況ポストの様子。(オルタンシア萌え萌えクラブより抜粋)
結果、なんとか〆切直前(〆切3分前)に入稿することはできたのだが、振り返ると「ネーム完成」~「入稿」までの1ヶ月は平均睡眠時間4時間の生活が続いていた。マジで本当につらかった。もう二度とやりたくない。
よかったこと
作業中はゲボ吐くほどしんどかったが、良いこともあった。
世界の片隅に居るオタクと遭遇できた
サークルスペースに座ってウトウトしていたら3、「自分、となりの吸血鬼さんが本当に好きで……吸血鬼さんの同人誌出してるサークルって他になくて……」という感じで数人のオタクから声をかけてもらった。
原作が終了し、アニメ放送から5年経っているにもかかわらず、変わらず吸血鬼さんを愛し続けているオタクが世界の片隅には存在するんだ……と感動を覚えた。
残業時間が減った
意外なことに、原稿作業中は労働の残業時間が減った。 原稿作業中は「とっとと帰って作業するぞ!」という意志が何よりも優先されるため、普段なら「あ、じゃあ私がやっておきますね…ヘラヘラ」となし崩し的にキャッチしてるタスクを全てガン無視して定時上がりすることができたのである。
少なくとも私の労働環境においては、強い意思があれば残業を無くせることが判明したので、今後の労働に活かしていこうと思う。(なお、上司からの評価は……)
やっぱり実物の本が手元にあると嬉しい
自分の描いた本がちゃんと製本され、しかもコミケで頒布できた、というのはかなり満足感があった。印刷した本は数冊ほど手元にキープしているが、定期的に見返してはニヨニヨしている。
あらゆる創作・消費がデジタル上で完結する時代ではあるが、たまには物理媒体の形にアウトプットして、同好の者に見てもらう……というのは案外悪くないかもしれない。
よくなかったこと
もちろん良くなかったこともある。
しんどい
しんどい。本当にしんどい。死ぬかと思った。睡眠の重要性を感じた。
漫画描いる最中はメンタル病む
作業中ず~~~~~っと「この漫画、もしかして面白くないかも…..?」とか「こんな漫画誰が読みたがるんだ….?」みたいな思考が止まらなくなる。これが本当にしんどい。もしかしたら漫画制作あるあるなのかもしれないが、とにかく自分の作品に対するネガティブな感情が溢れだし、メンタルを病む。
もし次の機会があれば、漫画じゃなくてイラスト本でいいかナ……。
アニメ(任意の趣味)を摂取できなくなる
これが一番良くないことだった。
前述したとおり原稿作業中は1分1秒を惜しんで作業することになるので、必然的に趣味の時間が減る。「趣味の創作活動に勤しんでいるんだから、十分プライベートを満喫しているじゃないか!」と言われそうだが、それとこれとは話が別である。 自分の場合は大好きなアニメをまったく見られないのが結構キツかった。
オタク活動も結局はバランスが大事なのだ。いくら創作活動が楽しいとはいえ、『健全な』オタク活動を嗜むにはアウトプットと同様にインプットも不可欠なのである。
最後に
クソしんどかったけど、良い思い出になりました。もし次の機会があれば、もっと身体に優しいスケジュールを組んで、持続可能性のある同人活動を心掛けたいと思います。
それはそれとして、こんだけ頑張って描いた漫画だし、折角なのでBoothで販売することにしました。
お手元に現物が無い方はぜひチェックしてね。
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実は大学時代にちょこちょこサークル参加したことがある。 ↩︎
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https://www.tomshuppan.co.jp/?gclid=CjwKCAiAqY6tBhAtEiwAHeRopVRjsxKsRvWoqYN8W9K0et_X0LMjzIRgJycyT_zasHHR4y_yHnku5xoCWwYQAvD_BwE ↩︎
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前日までの徹夜作業が祟って、出展当日はメチャクチャ眠かった ↩︎